珍獣の医学

犬猫を診る動物病院はたくさんありますが、それ以外の動物を診れる動物病院はあまりありません。あっても「犬猫の他にハムスターや鳥も診るよ」みたいな、そっちも診る事は診るけど…と言う所が多いです。 私も以前飼ってるオカメインコを近所の動物病院で診てもらったのですが、そこは複数の獣医師の先生方で運営している犬猫メインの動物病院で、院長先生はうさぎ押しと言う鳥のとの字もない動物病院でした。別に問題なく診察してもらえたのでそれはそれでよかったですが…。(ちなみに動物病院に訪れた理由は、骨折による診察・怪我の治療のためでした…) 以前、本屋でふと手にした本があります。田園調布動物病院院長の田向健一先生著「珍獣の医学」と言う本です。この田向健一先生の事は「情熱大陸」で見た事があったので、それも後押しになったのだと思います。 タイトルは「珍獣の医学」ですが、内容はどなたにも読める様な、解り易い文章で書かれています。一言で言うなら「田向先生のブログを書籍化した」みたいな感じでしょうか。 ブログに載っていたリクガメの手術の話や誤飲したカエルの話などが載っています。そんな事を言うと「使いまわし?」と思われてしまいそうですが、勿論その他のお話も載っています。 この「珍獣の医学」、ただの読み物としてだけではなく、カエルの白血病の話やヘビの腫瘍・癌など、さらりとその生物に多い病気や生態にも触れており「へー、そうなんだ!」と思うようなお話も載っています。動物が好きな方や、エキゾチックアニマルを診る獣医さんの実情に興味がある方にも「珍獣の医学」はオススメだと思います。 ただ、この「珍獣の医学」は面白い話だけではなく、獣医師としての田向先生の直面する問題や、その度に思う考えも書かれており「いい加減な飼い主・身勝手な人間のエゴのせいで苦しむ動物もいる」と言う事を考えさせられもします。 それでも、少しでも「珍獣の医学」の内容が気になる方にはオススメしたいです。 尚、「珍獣の医学」に載っている一部の診察のお話は、獣医師の田向健一先生のブログ「森羅万象」でも見る事ができます。
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