Kindleコミック「さよなら絶望先生」

ネタバレ注意!
小袖に袴姿と言うまるで大正ロマンを思わせるノスタルジックな風貌の超ネガティブ教師「糸色望」。通称絶望先生。
「絶望した!」
それが口癖の絶望先生は事ある毎に絶望し、首を吊ったり入水したりして自殺しようとします。でも本気で死にたい訳ではない模様。本当に死にそうになったら「殺す気か!」と怒ります。
一応舞台の学校は共学なんですが、女子生徒がメインです。ひきこもり少女や帰国子女・ストーカー少女など、個性豊かなキャラがたくさん出てきます。そして何気にモテモテな絶望先生。(絶望先生はルックスもよく実家は大金持ちなのでモテる要素は満載なのですが)
そんな彼と彼の教え子達が織り成す世の矛盾無常を面白おかしく皮肉る漫画…でした。最終回を知るまでは本気でそう思っていました。最終回に近づくにつれ複線のようなモノはちらほら出てきていましたが。
最終回を読みながら思ったのは「彼らのあの学校・日常生活はお芝居だったんだろうか」と言う事。
最初はお芝居だったけれど、一緒に過ごす内に本当の教師と生徒・友達だと思うようになっていった…と言うくだりもありましたが、どうしてもそんな思いはぬぐえません。
ただ一人の少女のために、多くの人が演じた大掛かりなお芝居。
1巻からは想像もつかない…まさに大どんでん返しの最終回でした。思えば、毒を含んだ内容でありながらも不思議とふわふわした印象があった漫画でしたし、それを思えばそんな最終回も納得行くような…と言う気もしますが…。
けどまさかそんなオチが待っているとは。
最後まであの「絶望した!」で突っ走るのかと思っていたのですが、いい意味で期待を裏切られました。個人的に。
…漫画のレビュー記事を書く度に毎度毎度思うんですがレビューになってないですね。「さよなら絶望先生」に関しては、実際に読んで頂かないと伝わらない・納得できない事も多いと思います。何だか不思議な漫画なのです。