映画「のぼうの城」を観てきました!

Post.2012/11/6 Cat. オススメ - 映画 Tag. のぼうの城 レビュー

oshijyo

久々に気になった映画があります。

現在上映中の野村萬斎主演の映画「のぼうの城」。

うおお…給料日前でお金がない…」けど、思い立ったが吉日とも言うし…と言う事で、思い切って行ってきました。

※以下ネタバレ含みますので、まだ観ていない方やこれから観ようと思っている方などはご注意を。と言うか台詞とか多少違うかも…うろ覚えなもので。



豊臣秀吉が天下統一の折、最後に手を伸ばしたのが北条氏。
その仕城である忍城の城主・成田氏長の従弟にあたるのが、のぼう様こと成田長親

のぼう様には、武勇も軍才もなければ聡明さもない。
それゆえ、でくのぼう、のぼう様などと百姓に呼ばれる始末。
それでも、長親は怒りもせず、 日がな一日百姓の田植えを眺めていたり、赤子をあやしたりと、毎日のんびり穏やかに暮らしていた。そんな気さくで穏やかで憎めない人柄のためか、百姓たちにはとても慕われていた。

この忍城は浮き城とも呼ばれる、四方を湖に囲まれた、不思議な城。
城の周辺がこんな状態なので、普通に攻め込むにも元々が沼地のため、足場も悪い。
攻めにくく守りやすいと言う堅城。

それでも、忍城の寡兵で天下の豊臣の大軍を相手に戦をするなど、ありえない話。

氏長は、主君である北条への義理立てで小田原城に向かうものの、実際には戦う気などなく、豊臣に内通しており、北条にも下るよう促す腹心算の様。

「今まで何度も裏切ってきた成田を赦してくれた北条を裏切るのか」

と食い下がる家老達に

なら、勝てるのか?…あの豊臣を敵に回して勝機などあるわけないだろう!
と言い放ち、家老達に豊臣とは戦わず下るよう命じ、忍城を後にした。

夜、酒を呑みながら豊臣に降る事を渋る家老達に
「大人しく下ればお猿さんも悪いようにはしないさ~」
と、のほほんと構えていた長親。

その後、城代を任されていた長親の父が病死する。

長親の父・泰季は、氏長と違い、若い頃は勇猛で知れた武将。
やはり、北条のために戦うべきだと進言していた。
それでも、最期は残して逝く者たちを思い
もうよい、降伏しろ
と言った。

そのため、城代のお鉢が長親に回ってきてしまう事になる。
長親自身も父の言うように、降伏する心算だった。

しかし、豊臣からの軍使としてやってきた長束正家の父を小馬鹿にする言動や忍城の者に対する尊大な言い様に、誰よりも誇り高い長親は激しい怒りを覚える。

「腹を決めかねていたが、今決めた。…戦いまする。

長親は家老達に言う。

2万の兵で攻めてきて散々脅しておきながら、和戦どちらがいいかなどと聞いてくる。
その癖、絶対に下るとタカをくくっておる。
力ある者が力なき者を足蹴にし、才ある者が才なき者の鼻っ面をいい様に引っ掻き回す。
そんな奴らに下るのはイヤじゃ、それが人の世だと言うのならわしはイヤじゃ、と。

最初は我慢して降伏の意を告げるよう説得していた家老達も、豊臣の軍使の言い様に深い憤りを誤魔化しきれず、長親の意思に同調していく。

「2万の軍を相手に戦すると申すのか!」
坂東武者の槍の味、存分に味わわれよ

一方
「どの城も戦わずして負けを宣言する…人とは、人の輪とはこんなものなのか。巨大な富と権力の前に、気概も見せずにあっさり屈してしまうのか。」
と嘆く三成。

そんな三成を「強者にのみ許された甘美な感傷だな。」と言い捨てる大谷吉継。

しかし北条の仕城が次々と戦わずに降参する中、忍城だけが戦うと言った。
三成は「そうでなくてはいかん!それでこそもののふよ!」と喜んだ。

冒頭でも秀吉に「いつまでも三献茶の男などと呼ばせていてはいかん!武功を立てよ!」と叱咤され功を焦っていたのか、どうしても武功を立てたい戦がしたい三成が横柄で交渉に不向きな正家を軍使にして、忍城一同を煽ったのだ。…これには流石の大谷吉継も呆れ帰る。

こうして、2万対500の無謀で珍妙な戦いが幕を開ける事となる…。



…うっ、これ以上語るとテキストがどうしようもない長さになる…
話のあらすじはざっとこんな感じです。

つまり 20000 VS 500(農民含めると2000位?)と言う圧倒的な物量差。このの無謀な戦いをのぼう様達忍城軍は如何にして最後まで持ち堪えるのか。…と言う所に最大の魅力があるのだと思います。

ちなみに映画版「のぼうの城」は小説版「のぼうの城」にくらべて戦闘シーンなどかなりはしょってる様なので、映画版「のぼうの城」のエピソードが少なくてつまらないと思われたら、小説版「のぼうの城」もあわせて読んでみるのもいいかもしれませんね。

…個人的に「のぼうの城」の盛り上がりって、ぐっさん演じる柴崎和泉や佐藤浩市演じる正木丹波が奮戦する水攻め前の一戦目くらいまでじゃないかな?と思います。

この一戦に関しては、柴崎が突進してくる十数人の兵を相手に一人で押し返す所謂ぐっさん無双状態だったり、正木が「槍合わせを願おう」と挑んできた正家の家臣山田帯刀との一騎打ちで相手の首をすっ飛ばしたり、目を引く演出も多かったです。ぐっさんはやりすぎてコントみたいだったけど。

水攻め後も確かに「どーんすんだこれ」ってハラハラ感はありましたけど、派手な戦闘シーンってそれ以降ないんですよね。
もちろんのぼう様の巧みな人心掌握術も見ていて心地よいのですが。正に人たらし。

舟で堤防近くまで漕ぎ着けて、田楽踊りを披露。戦の最中なのに、忍城側も豊臣側も、それを忘れたように大喜びで盛り上がる。

これものぼう様の策ですけど…正直のぼう様って本当にでくのぼうなのか?って思わせる節がチラホラあります。それを見た大谷吉継も長親を将器の持ち主だと評しています。

史実と言うか、どうなるかは一応知ってるからかな…史実を知らない方は、そのままの状態で見られた方がよりハラハラ感を楽しめるのではないかと思います。

あと、「戦」「映像はリアルに再現」なだけあって、戦のシーンでは血飛沫が飛ぶし、兵の首が飛んだり、槍で刺し貫かれたりもしてます。

「面白そう、笑いたい」とか、一種のバラエティ映画の感覚で観たらそのギャップにかなりのショックを受けると思いますので、その辺はご注意を。


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演出も映像もなかなか良かったと思います。戦国モノが好きな方ならそれだけでも楽しめるんじゃないでしょうか。と言う訳で「のぼうの城」オススメです。

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